歯の予防医学について

3月 9, 2021 0 Comments

私たちは、口からモノを食べ、呼吸をしています。
言われてはじめて気づくかもしれませんが、
口というのは、消化器と呼吸器の入り口です。
口腔は食物を食べる働きだけでなく、発育や呼吸という大切な役割を持っています。
人間として質の高い生活を送る上でも、口腔は非常に重要な器官です。
食べ物を摂取しなくては生きていくことはできませんし、
呼吸や会話、コミュニケーションも生きる上で必要不可欠です。
歯を大切にするのは、全身の健康を考えることにつながります。
母乳を飲む幼児期から歯の生え変わりの幼少期、代謝が活発になる青年期、
歯周病や口臭が気になる成人期など、それぞれの年代に合わせたケアが必要になってきます。
虫歯ができたら歯科医院に駆け込むのではなく、
痛みがなくても、定期的に検診を受けに行くことをお勧めます。

定期検診では、歯ぐきの状態や歯周炎などの病気をはじめとして、
口の中のあらゆる環境を徹底的にチェックします。
年齢に限らず、食生活やライフスタイルによって個人差があるため、
専門家によるアドバイスに沿って、日頃のケアをしていくことが肝心です。
どのくらいの割合で検診をするかという期間も個人によって異なりますので、
歯科医師とプランを立て、歯の健康を維持できるようにしましょう。
特に高齢者の方が定期的な検診をしていないと、家族の認識も難しく、
誤嚥(ごえん)性肺炎といった深刻な病気を引き起こす可能性もあります。
口腔衛生に主眼を置いた口腔ケアは、歯科口腔疾患の予防に始まり、誤嚥性肺炎の予防、口から食べること(経口摂取)の維持には欠かせないケアです。
また、ケアの効果は口腔のみにとどまらず、呼吸器をはじめさまざまな感染症の予防に有効です。

当院がある千代田区は、介護予防推進モデル地区に指定されました。
特定高齢者口腔事業実施医療機関として認定され、
現在では、内科医の先生と連携を取りながら、
高齢者の歯科治療に本格的に取り組んでいます。

生涯、自分の口から美味しく食べられるよう、
健康なうちから歯を大切にし続けてほしいと考えています。